二日目ー28日 トレッキング知床五湖編

ほんと、ひどい雨だったんですよ。午後には、ネイチャーガイドつきの知床五湖のトレッキングを予約していたので、晴れてもらわないと困るし、合羽にしてももう少し立派なものが必要だと感じたわけ。救世主現る!!というより、救世主を見つけた感じ?


ある遊覧船の受付で、傘が沢山売られていた。もしかしたら、合羽も?って思って聞いてみたら、ありました〜。
しかも、ズボン付。んでもって300円。さっきにくらべ、ぜんぜんしょぼくない。すごいぞう。んで、以下のような感じに。

上下を着て、そんでもって、遊覧船で買ったしょぼい合羽をはおってリュックを雨から守り、完璧。すばらしい。


いざ、知床五湖へ。
私たちが頼んだネイチャーガイドさんは、知床アルパというところのガイドさん。ウトロのバスターミナルで待ち合わせ。何歳くらいなのかな?おそらく60後半から70前半くらい。とても気さくで、奥が深く、足も軽く、とても若々しい。


この季節は、知床五湖のうち、二湖までしか見れないんだって。9月くらいになると、閉鎖が解かれるらしいです。
なので、五湖までご希望の方は、9月くらいに行ったほうがよいですね。2湖散策して2時間半ほどかな?3000円でした。


実はこの日、熊が出没したとかで?かな、二湖までも閉鎖されていたんです。私たちが予約したのは13時からなんだけど、12時半にやっとか閉鎖解除になったとのこと。運がいいよ、お客さん、といわれ、ちょっと得意気に。


バスにのって五湖へ移動。観光地へのバスが整備されているので、車で行くよりは、バスを使って移動するのが良いでしょう。環境のことも考えてね。


まずは一湖。

霧深く。。。見えないと思ってしまいますが、これはこれで幻想的で良かったですよ。


途中、熊の爪あとがある木を教えてもらいました。

この爪跡をみると、誰もが相当大きな熊が引っかいたのだろうと思うとのこと。そうではなく、小さな熊が、この木が小さなときに引っかいて、そのまま木が成長した結果、このように大きな爪あととして見られるくらい傷跡が伸びてしまったんですよとのこと。木は、樹脂まで引っかかれてしまうと、そこの部分が再生することはないんですって。


真ん中のくぼみは、熊の足跡。湿地に生えるみずばしょうの茎の部分を食べ散らかします。

熊は雑食。


鹿に食べられた笹のあと。


新芽の柔らかいところだけ食べてしまうので、笹は枯れてしまいます。


何本かの木は枯れています。これは、冬の間、えさにありつけない鹿が、樹皮を食べ、その結果、木は再生できず、枯れてしまうんですと。


国立公園になり、鹿を保護してきた結果、このように木が侵されてしまい、現在、植生保護のため、鹿の駆除が行われいます。自然を守るということは、イコール自然に手を加えるということ。結果、それが自然を侵食してしまうのですから、難しいですな。だから、自然を守るということは重要だとわかっているけれど、自然保護=いいことだって思って、あらゆる帰結を考えずに参加している人はどうかと、個人的には思います。


そして、二湖。

あ〜、みえない〜。


折り返して、少し霧も晴れてきました。


これ、なんだかわかりますか?

トドマツの子供です。
まだ三歳。


なぜ、年齢がわかるかというと、トドマツは「椴松」と書きます。枝が一年ごとに横に段々になって生えていくんです。下の写真、少し暗くて見えにくいけど、わかるかな。横に出ている枝の、次の枝までが一年の成長のあとです。

椴松の兄弟(たぶん)。

こんなちっちゃなトドマツが、越冬するのは並大抵のことではないとのこと。小さな椴松も一生懸命生きているんだな。椴松をみて、私もがんばらないとなって思いました。ありがとう椴松。


せみの抜け殻。


この窪みは何故にできたかわかりますか?

誰かさんは、雨粒が当たった結果だと。そんなわけないだろうと、私は思うわけで。ガイドさんに聞いてみたところ、ガスをためたままの飛んできた溶岩だと。ある日、岩に詰まったガスが爆発し、このような形になったんだってさ。面白いね。


鹿が角がかゆくて、かい〜のってかいた結果。ガイドさんが、まじめな顔で「鹿も寛平と一緒なんですね」と。。。


帰りは、霧が晴れ、一湖の姿がくっきりとみれましたよ。

奥に見える草原は、牧草地の跡です。


さて、ここまで見てきた皆さんは、あ〜知床って自然豊か!!って思っていませんか?もちろん、知床は自然は豊かなんですが、この自然は作られた自然なんですよ。というのはどういうことかといいますと、この辺は、実は開拓跡地なんです。さっきの牧草地も、開拓の名残なんです。


ここら辺の開拓は大正に入ってから始まったとのこと。なので、明治に始まった北海道開拓よりは、やはり少し後のことになりますね。漁業開拓は早い時期から行われていたんですって。知床の土地は、火山爆発、隆起した結果できたもの。なので、土地は固く、水の利が悪く、岩がゴロゴロとあり、農業には適していなかったんですね。多くの人々が開拓に入っては、この地を後にしていきました。昭和39年に知床の原生林の価値が認められたことにより、知床は国立公園に指定されました。その後、開拓された農地に、自然を戻そうという運動が始まりました。それが「しれとこ100平方メートル運動」。
運動の歴史|しれとこ100平方メートル運動(北海道斜里町)


その結果が、この五湖周辺の「自然」なんですね。故に、ここら辺はまだ一次林、二次林。手付かずの自然、原生林をみるにはもっともっと上のほうに行く必要があります。


自然豊かといったときに、それは作られた自然であることが多いのが現在。でも、作られたからイコール自然とは呼べない?というのではなく、自然を作り出そうという動きが、誰によって、どのような思いをもとに行われ、周囲の合意が得られてきたのかということが重要なんですね。五湖周辺の「自然」は、その意味で作られた自然であり、みんなが自然であると思うことによって初めて成り立つ自然なんですね。そんなことをつらつら思いながら、散策終了。


帰りのバスの中からは、鹿が見れました。


夜、民宿つくだ荘へ。温泉かけ流し〜。一泊二食で9075円。別館へ通され、広く、きれいな部屋にびっくり。だんだん、ほんとに9075円だったか不安に。どんどん出てくる料理を食べ、さらに不安に。。。しかし、後でやはり値段が高かった場合も考えて、もったいないから、ほとんど食べた。

このあと、メロンといくら丼も出てきたんだよ。あ、てんぷらも。


その不安をかき消すように、二人は飲みまくり、就寝。3日目は五時おき。ダイジョウブかな〜。ほげげ。


そして、日記も明日続き。もう眠いです。おやすみ。