天売・焼尻

2日と3日、小旅行に行ってきました。
中学の同級生とその会社の方々。
行き先は、北海道羽幌町天売島と焼尻島。


観たことある人ならばわかるかもですが、
天売は、以前、昼ドラでやっていた「女医・優」の舞台です。


天売島と焼尻島は、島全周が12キロほどの小さな島。
天売島は、鳥と漁業の島であり
焼尻島は、花と森の島です。
天売島は、450人ほどの人口で、小学生は12人、中学生は10人。
誰もが、顔見知りの生活なんだろうな。


島に行ったのは、中学の頃の佐渡以来。
島の自然や食べ物のすばらしさには、もちろんながら感動。
その一方で、島の人たちの生活ってどんなものなのか、とても気になった。


島の人たちは、そこでの生活を自ら選んで、毎日を生きているわけだけど
私たちが日々享受している環境にはないわけで。


家具にしても、衣服にしても、本にしても、
直ぐには手に入らないし、目で見ることもできない。
月並みな言い方になってしまうけれど、
レンタルビデオもなければ、コンビ二もない。


決して、ノスタルジックやロマンティックな思いで彼らの生活を見ているわけではないが
いつでもどこでも、自分たちの生活が当たり前であると思ってはいけないのだなと感じた。
壊れたいすや、色あせたテーブル、そんなものが沢山あった島だったけれど
そこには生活の重みと人々の思いが存在し、私に日々の生活の薄っぺらさを教えてくれた。


そして、島の人たちは、本当に優しかった。
観光客慣れしているというのもあるだろうけれど、
それだけではできない色んな優しさをもらった。


歩いて疲れきった私たちを、宿まで乗せて行ってくれた女性。
飲んだくれの私たちのために氷を漁港までとりに行ってくれたおじさん。
「アイス売っていますか」と聞いたら、この店では売ってなくて、
上のお店には売っている、それを教えなかった自分が悪かった、
「ごめんね」と謝ってきたおばあちゃん。


私は、人の優しさを偽善であると思ってしまうことがあるけれど、
今回の旅行で、人の優しさって人の心を温かくするんだなと思った。
人に上手く優しくできない自分は、心の余裕がないからだと思っていたけれど、
それを理由にする自分はちょっとみみっちいな。


都会での生活のように、適当にレシートをもらったり、
適当に挨拶をしたり、それに慣れてしまっていた自分は
今回の旅行で少し損をした。


ありがとうと笑って、おばちゃんからレシートをもらうべきだったし
「こんにちは」ともっと大きな声で挨拶をするべきだった。


機会があったら、今度はひとりでゆっくりと、天売と焼尻に行ってみたい。
そして、そこの生活をいっぱい感じてきたいと思う。