生殖医療

今、非常勤の関係で、生殖医療について本を読んでいるんだけど、全体的にこの問題は揺らいでいるなあ…と思われる。生殖(補助)医療がなんであるのか(もちろん生殖分野にかかわる医療なんだけど)、その背後にある立場が揺らいでいるように思われる。というのも、不妊治療および代理母の問題も生殖医療、羊のドリーやブラックジャックピノコも生殖医療。するとなると、それらの出来事を生殖医療として一緒に語ったとしても、不妊という背景を持った生殖医療と、人工知能や人造人間的な生殖医療とは、はなっから土台が異なる。ただ、共通のものとしては、それまで「自然」であったり「神」の力とされてきた生命の誕生に科学の力が加わることが是か非かということ。 
なので、「生殖医療」として書かれた本は、とてつもなく読みにくい。不妊治療や代理母とクローン人間の話を同じ土台で語ろうとしているから、著者もどこに焦点を当てればいいのか微妙な感じ。微妙に博識な人が書くと、問題が多様なだけに、いろんな話を持ってこようとするし。んで、「不妊」を題材として書かれた生殖医療の本はわかりやすいが、それは不妊治療に限ってのこと。生殖医療技術の進展の中で問題とされていることに言及されていないような気がして、なんか物足りない。というわけで、ややこしいのだよ。
厚生労働省も、そんな感じで長らく手をつけてない感じだし。