ふと

  • N村君

ふと、登校の道すがら、N村君は元気だろうかと気になった。
N村君といっても、友達ではなく、前の学校の先生。
ふと、というか、後姿が微妙に似ている人を見かけたからそう思ったのだけれど。


N村君は、何処の女の子よりもやせていて、
倒れるのではないかと、風に吹かれて飛んでいってしまうのではないかと
いつも、はらはらしておりました。
「先生、何言ってるんですか〜」と
ぽんと肩をたたいたら、軽く飛んでいったこともありました。


体は小さいのに、声は大きく、心は寛容で、
学生のことを第一に考えてくれてた先生でした。


なんて、良いこと書いてますが、
私は彼の授業では毎日、眠ってしまってました。
その姿を、授業中に「自由」という概念を説明する際、引き合いに出されました。
あちゃ〜。


そんな先生とも、卒業と同時に毎日会えなくなったわけで、
時々帰っては顔を出すようにしていたけれど、
元気かな〜元気かな〜。