素敵な再会

暑さしのぎのためでもないが、県立博物館へ。
家の近くにあり、今日は、ピアノコンサートが開かれる。
前にも何度が開催され、母から話は聞いていたが、今回が初めての参加。


ジャズが専門である何とかさんという人が、ジャズアレンジした曲のほか、
川の流れのように」や「涙そうそう」など、聞き覚えのある曲を披露してくださった。
心地がよい。
少し注文を付けるとすれば、少しテンポが速すぎな感じ。
曲にこめられた思いが伝わりにくい…かな…。
まあ、それはそれでいいとして。


さて、使われているピアノは、進駐軍が秋田に来たとき、一緒に持ってきたものであり、
当時、進駐軍の通訳をしていた佐々木さんという方が、
退職する際に退職金の代わりとして譲り受けたものだとういう。


その後、佐々木さんは、友人の音楽教師(男鹿市在住)にこれを預けたが
彼が高齢となり、使うことが出来なくなったため、再び佐々木さんのもとへ。
歴史ある代物であることから、県立博物館に寄贈されることとなったようである。


ま、ここまでは普通の話というか、聴いた話。
これからが私だけの思い出の話。


なんと、佐々木さんに聞いてみたところ、この音楽教師はE先生という方とのこと。
なんとなんとなんとですよ。
このE先生、私が小学生の頃、ピアノを習った先生なんです。
男鹿市在住ということから、「もしや」と思ったら、やっぱりそうでした。
びっくりびっくりびっくりです。


しかも、このピアノ、私も弾いたことがあるんです。
このピアノは、先生のお宅の廊下に置かれていました。
自分の番が来るまで、そのピアノを使って練習をしても良いことになっていました。
変な色をしたピアノで(白というよりも、グレー)、
形もほかのピアノと違うし(グランドピアノでもなければ、家庭用のピアノとも違う)、
音もこもっている感じだし、ペダルも踏みにくいし、鍵盤黄ばんでるし…。
でも、なんとなく気になる存在。


昔、ハウス食品提供の、日曜日にやっていた若草物語ってあったでしょ。
それで、病弱な妹が弾いていたピアノ、覚えております?
すごい変な音がするピアノ。
あんな感じ。
そんなこともあって、すごく頭の中に残っていたのです。


今日、目の前にあるピアノは、色が黒に塗り替えられ、鍵盤も新しく整えられたみたい。
修理もされ、いい音が出ている。
だから、最初はわからなかったの。
そのピアノにゆかりあるらしい女性が、
「もとは白っぽい色だったんですよ」とのこと。
やっぱり、あのピアノだ!!


突然のピアノとの再会にびっくり。
でも、その先生にはお会いできず。


厳しくやさしかった先生。
ご夫婦で教えられており、男先生の方が好きだったな〜。
高齢となりピアノを戻されたとのことだったので
もう、お会いすることはないかも知れないな。


うれしい再会でもあり、少し、悲しい思いも生じ、複雑な気分。
でも、幸せな気分です。